この度COPYCENTER GALLERYでは、2026年5月19日(火)より5月31日(日)まで、重光美沙と李軼初による二人展「たまごがないからちょっと買ってくるね」を開催いたします。
日常に放たれた言葉たちは、役目を終えてもなお消えることなく、その場に余白となって存在しています。 同じように、私たちの中にある海馬では情報を受け取ったまま、居場所を失った記憶たちが彷徨っているかもしれません。 存在と並行してある不在に耳をすませ、その奥にある自分ではない誰かや何か、それぞれの関係性を見つめます。
本展において重光美沙は、自分自身とそばにあるもうひとつの存在に目を向け、音や詩的なアプローチから制作された作品を展示します。映像を中心とした作品では、ふたり の人間の結びつきから、人との関係性や儚さ、不在でも存在し続けるものについて探究します。また、これまで目には見えない音を主体とした作品を制作する中で、様々な音の痕跡を捉えました。それを通して想起される、ものが秘めている記憶や物語と向き合い、インスタレーションとして展開します。
李軼初は、映像を中心に多様なメディアを用いたインスタレーション作品を制作しています。本展では、近年展開してきたロトスコープ技法によるアニメーションと実写映像を、同一画面上に重ねた新作映像を発表します。日常の隙間に漂うささやかな断片を手がかりに、普段当たり前にある日常風景や、そこに潜む既存の社会規範に目を向けます。そのうえで、個人の記憶やアイデンティティ、主張の可視化を試みます。また同じテーマの平面作品も展示し、景色のどこを見つめていくべきなのかを提示します。
そして共同制作では、本展のタイトル「たまごがないからちょっと買ってくるね」という言葉から出発し、公共空間における伝達や注意喚起に用いられるスプレーと型紙(ステンシル)の手法を参照しながら、日常のささやかな言葉たちが別のかたちを取り、会場内に散りばめられます。
「不在」「記憶」「他者との関係性」を軸に、”そこにあったはずのもの”の気配にふれられることを願います。
■ 関連イベント
Little Tea Time
お茶を飲みながら作品の話をしたり、お客さんが持ってきたものにスプレーで言葉を残したり、海馬のどこかにある大切な何かを再確認する時間。
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日時: 2026年5月23日 (土) 14:00〜
■ 開催概要
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展覧会名: 重光美沙・李軼初 二人展「たまごがないからちょっと買ってくるね」
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会期: 2026年5月19日(火) 〜 5月31日(日)
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会場: COPYCENTER GALLERY
■ Artist Profile
重光 美沙(Shigemitsu Misa)
高知県出身。大学で音楽学、作曲を学び、音を主体とした表現を行う。
人間の意思で捉えることのできない存在としての音を探究しつつ、非人間中心主義的な視点からあらゆるものの存在の儚さについて問いかける。展示空間に合わせた音や舞台芸術のための音、サウンドオブジェ、インスタレーション作品を制作。
主な展示に、duo exhibition [CAROLINE ROOM MUSEUM] (2023) 、solo exhibition [Sanctuary] (2024) 、duo exhibition [From blurry white] (2025)。音制作に、『from here to iDEATH』『Schizophonia』『inter-sur-face』『Plan』などがある
SOUND: https://shigemitsumisa.bandcamp.com/
李 軼初(Lee Isho)
中国生まれ。2023年武蔵野美術大学大学院油絵コース修了。現在東京にて制作・活動。
異なる文化や背景を持つ人々のアイデンティティと、都市空間における既存の秩序との関係に疑問を持ち、匿名性のある風景を主なモチーフに制作。映像、写真、文章など多様なメディアを用い、現実の時間と空間の中に潜む不可視の層をすくい上げることを試みている。2020年以降は、実写映像をトレースするロトスコープ技法による映像作品を中心に展開。2025年より、「食」と「異郷者」をテーマにする作品シリーズ「灯火の口触り」を、様々な飲食店で展示を行いつつ進行中。